バッハピアノコンクール予選、全国大会記録

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2021/02/17

今日は、目の前の『一つ』を大事に過ごした中学1年生の記録です。

小学生の最後に、昨年初めて受けたバッハピアノコンクールは惜しくも奨励賞と全国大会へ行けなかった悔しさを胸に、今年は自らコンクールへの出場を決意し、12月の予選に向けて一つ一つ課題をこなしました。

勿論生活は学校が中心な上、ピアノだけの生活ではない子供達ですので、予選1ヶ月前からは 『予選の曲だけで手一杯。』 これが本音です。

コンクールやオーディション、審査対象となるものを何の為に受けるのか。 その為に自分が何をしなければいけないのか。 日々の生活も含め,自分自身と向き合った時間だったと思います。

コンクールだけに限らず、自分が迎えるであろう本番までどう過ごすのか。

本番の舞台に立つまでのテンションを持っていく方法は何度か経験することで自分自身が見つけていくものです。

私は今回,彼女の意思が明白且つ純粋でその気持ちに背中を押されていました。

レッスンは試行錯誤の繰り返し。学校中心の生活の中,良くはなっているものの,上がってこないテンションとテンポ。表現もまとまらない予選前1週間は 私自身忍耐の連続でした。

 

何故なら,彼女は表現力に優れていて音も美しい。その長所を相手(聴いている側)にどうやったら伝わるか。その事を本人がどう理解し,相手に伝えようとできるのか。それを彼女に理解してもらう為にどうやったら伝わるのか。

そんな事を考えていました。

コンスタントにお家での練習時間も確保出来ている状態が手に取るように分かり、細かな部分は勿論、もう一回、もう一回と出来るまで繰り返しても壊れる事なく,納得行くまで弾く彼女の姿には心打たれたものです。

そして変化していく予選五日前。 最後は前日までレッスン。全国への切符を手に入れた喜びは格別だったと思います。

全国大会まで予選が終わって1ヶ月しか時間がなく、悩みましたが、新しい曲にチャレンジしてみたいという彼女の希望もあり、譜読みから暗譜までを2週間でこなし、

初のSinfoniaを取り組み始めた彼女の勢いに私も背中を押されました。ステップアップさせ、挑んだsinfonia。自分への課題から目を逸らすことなくギリギリまで前へ進み、 初めて感じた空気は、今まで見た事ない世界だった事、 そんな空気を肌で感じれたことはとにかく大きかったと思います。

『みんな本当に上手だった。』 そんな彼女の率直な感想が素直でスッと私の中に入って来ました。

【弾けて当たり前。】 な世界を経験をさせてもらった事に感謝していますが、5名の審査員から頂いた講評が素晴らしく、文章が一つ一つ的を得ており、私自身も大変勉強になりました。来年に向けて新たな一歩をまた歩み出したいと思います。

当日人数制限もあり、直接聴くことは叶わなかったのですが、 配信された動画を拝聴し、本番でここまで成長していたか・・・と改めて彼女の成長ぶりに安堵と嬉しさが込み上げて来ました。日々のお母様のサポートもあり体調を崩す事なく無事に過ごせた事は本当に有難かったです。

次の段階へ進んだ確かな手応えと共に一緒に成長させてもらえる私たちへの新たな課題は心地良いものです。

私達は生徒たちの生活リズム,表情,体力,理解力を見てレッスンします。 今日これ以上やってもこのまま崩れるだけ・・・・の日もあります。

今の自分に何が出来るのか・・・を考えるのは生徒だけではなく私たちも同じです。

ギリギリまで諦めず音楽を紡ぎ出していった時間を振り返った時,コンクールやオーディションへの予選通過,賞を取るだけが人を成長させるのではなく,過程を大事に,ピアノと向き合い、自分とも向き合った成長に対するご褒美を頂いてる。

そんな時間だった気がしました。

 

ピアノが好きで出来る事を一つ一つ積み上げ,続きて来た『今』。 目の前のそれぞれの目標を持つ子供たちの側で成長段階の時期を見守れる事嬉しく思っています。

どんな年齢でも,それぞれの子供たちに寄り添い、 11人目標や希望、歩幅で一歩一歩をその子供にあったスタイルで続けられる『楽しさ』を一緒に歩めたらと願っています。

さて!!中学生たちは試験期間に入って来ますね!

ファイト!!!!