【17歳の卒業論文】ウィーン音楽留学記

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2022/12/26

こんにちわ、あざみ野教室の香川です。今回は、現在ウィーン(オーストリア)に音楽留学中の游謙人さん(17歳)をご紹介します。

私が初めて会ったのは、彼が9歳(小学3年生)の頃でした。自然と音楽を感じることが出来る子で、歌を歌わせると何とも言えない透き通る声で美しく歌ってくれる少年でした。

中学生まで日本のインターナショナルスクールで学んでいましたが、高校進学については、当初の希望であった日本の音楽高校に進学するか海外に音楽留学するか、大変悩んでおりました。どちらも険しい道です。まだまだ音楽留学をするには早いのではないか。当時の私としてはとても心配でしたが、ご家族と本人の決断を尊重し、約2年間の準備期間を経て、14歳でウィーン留学へと送り出しました。クラシック音楽の本場、ヨーロッパの地に身を置き同じ志を持つ学生と生活を共にしながら、喜びも厳しさも含め様々な経験をし、成長して欲しいという願いも込めて。

現地ではアマデウス・インターナショナル・スクール・ウィーンにてIB(国際バカロレア)生として学び、2021年からはIBCP(国際バカロレアキャリア関連プログラム)生として学んでおります。寮生活をしながら、恵まれた環境で日々プロフェッショナルな先生方からの授業を受け、沢山の演奏するチャンスやメディアからの取材などの機会を頂いているようです。コロナ禍での音楽留学は困難な状況が数多くあり、国の定める基準も違う為に大変な苦労をしてきました。ご家族の心配されるお気持ちや、ご苦労も計り知れませんが、ご両親の強い覚悟と決断力で彼の留学生活は実現出来ています。

今年は、単身イタリアへ行き、海外ではお馴染み『予定は予定でしかない』文化の洗礼も受けながら、初めての国際コンクールに挑戦。チッタ・ディ・バルレッタ ヤング・ミュージシャン国際コンクールで第2位を受賞。

続けて20222023年、アマデウス・インターナショナル・スクール・ウィーン、イグデスマン&ジョーの奨学生となるなど、本人が積極的に音楽に取り組む姿勢が少しずつ身を結び、一歩ずつ未来に繋がるようになってきたことは嬉しく思います。

この秋の学校の課題では、自身のピアノ演奏のプロモーション映像を作成するための資金をクラウドファウンディングで募り、チェコ共和国にてレコーディングするなど、セルフプロデュース能力を養うプログラムもあるのはとても興味深いですね。

高校卒業を間近に控え、先日卒業論文を送ってくれました。

--楽器に動物の素材を使うことは倫理的なのか--

彼の論文は、人間の手により、生命の危機や、絶滅の危機にさらされている動物たちに目を向けていました。若い音楽家として、楽器に使われる動物の素材について歴史をたどり、現代において動物以外の素材で共に共存するための提案や考察を様々な視点で書いてありました。

私の音楽制作活動について話したことは一切無いのですが、彼の卒業論文のテーマに通じるものがあり、不思議な気持ちになりました。人生とは面白いものです。

留学へ送り出した当時、私が抱えていた思いは、現地の方々、ピアノをご指導頂いている先生、多くの方々のご尽力と、彼自身の努力によって、喜びに繋がっております。

無事に卒業出来ますように!!

そして、ドイツ語試験と共に大学受験が待っています。

人を磨き、音楽を磨く!!

お教室を卒業した生徒さんたちが、自分らしい道を見つけ、試行錯誤しながらも人生を切り開いていけることを心より願っております。何歳になっても、私たちはみんなを応援しています。

これからも頑張れ!!私も日本で頑張ります!!

謙人さん、お母様、いつもお写真やご連絡を頂き本当にどうもありがとうございます。